・・・意味がわからないんだけど。何考えてるんだい?普段はどうでもいいくだらないとこばかりを並べて必要のないことまで僕に言って聞かせるくせに。大体、たったあれだけの言葉ですべてを理解しろだなんて何様のつもり?君は僕のこと何だと思ってるの。言っておくけど、君が思っているほど僕は君のことなんかわかってないから。






息継ぎをしたようには見えなかった。吐き出すと、ぷいとそっぽを向いてしまった。
雲雀が一度にこんなにたくさんの言葉を口にしたところを初めて見たのだと思う。心の準備なんて、当然だけどしていなかったあたしは雲雀が言ったことの半分以上をまだ、理解出来ていない気がする。雲雀が再び呼吸を初めて10秒、つまり雲雀が再びあたしのことを睨み始めて約7秒、あたしはついさっき言われた雲雀のたくさんの言葉を理解しないまま、ぽかん、と口を開けたまま、黙って立ちつくしているだけだった。どうしてそんな状態のままであたしがいるかと言えば、すべて雲雀のせいなのだ。雲雀に睨まれて硬直してるわけじゃない。雲雀が怖くて声が出せないわけでもない。雲雀があまりにも可愛すぎるからなのだ。






・・・ねぇ。何とか言ったらどうなんだい?黙ったままじゃ何もわからないんだけど。今言ったばかりだろ?僕は君のことなんてわからないんだ。君がどれだけ僕に理解されてるつもりか僕は知らないけど君、勘違いも甚だしいね。さっきも言ったけど僕は君のことなんて知らないから。言われもしないこと僕が知ってると思ったら大間違いだよ。






まるでさっきのリピートみたいに雲雀は、吐き出した後すぐに視線を外した。
さっき初めて目にした光景をまた、あたしは目の当たりにした。雲雀が一気に捲し上げたこと、あたしは理解出来ているのかいないのか、その区別すら付けられない。それくらい雲雀は、雲雀は、可愛くってしょうがないのだ。眉を歪めて、唇を尖らせて、それは普段みんなを恐怖の底に陥れてる最強最悪の風紀委員長雲雀恭弥からは想像もつかないようなそれ、可愛くて、可愛くて、声も出ない上動けないから頷けない。嬉しくってしょうがないのに。さっきから激しく音を立ててる、心臓だけがまるであたしの実態だ。






・・・ねぇ。






雲雀、あたしが雲雀に言わなかったのは、雲雀だったら知ってるかな、なんてそんな都合のいいこと考えてたからじゃないよ。
雲雀、あたしは別に、雲雀に何かしてもらいたかったわけじゃないくて、ただ、一緒にいられたらそれで。
雲雀、雲雀がどれだけあたしのことをわかってくれてるかわからないけど、だけど雲雀、少なくとも、






・・・






少なくとも、雲雀、知ってるでしょ?




誕生日おめでとう 雲雀はまた、そっぽを向いた)

(ありがとう雲雀、大好き。 彼女は幸せそうに笑った






!!! HappyBirthday AKI !!!